ドリームズカムトゥルー 10
2015年 02月 22日
~千田~
何だかとても楽しかった
悟と飲むのが久しぶりだったのもあるけど
恭子さんがいたからだと思う
天真爛漫に振舞う姿が眩しかった
4歳年上なのだが時には大人の、時には子供の顔を見せた
「あのさぁ、ソカシにだから言っちゃうけど実は・・・
もうすぐ結婚するんだ 俺たち」
「マジで!?」
「子供が出来ちまってよ~ しょーがねーからさぁ~」
「ちょっとなによ~その言い方~!
子供の名前まで勝手に決めて喜んじゃってるくせに~!」
「おいおい!お二人さん!随分展開が早くねぇ~か?」
「菜緒。松山菜緒。なんかいい感じだろ!?」
「なんだか良くわからんが、おめでとうって事か!?じゃあ飲むしかね~な!
あっ!恭子さんは飲んじゃダメですよ!」
本当に心から祝福していた
2人ならきっと幸せになると思った
翌日、松山が死んだと連絡がきた。
あの日の夜、松山は泊まっていけと言ったが
恭子さんの誕生日はきっと2人だけで過ごしたいだろうと思い
最終の新幹線で帰る事にした
松山はだいぶ酔っていたが駅まで車で送ってくれた
「結婚式は子供が生まれて落ち着いてからする予定なんだけど
そん時は色々頼むぜ!ソカシ!」
「おぅ!まかせとけ!」
「じゃあまたな!」
「恭子さん大事にしろよ!」
「うるせーな!お前に言われなくてもそうするよ!」
「悟に何かあったら恭子さんは俺にまかせとけ!」
「(笑) あぁ、頼むよ! あと、菜緒も頼むよ!」
「いやぁ~俺大変だな(笑)」
「バーカ!(笑) 余計な心配してんじゃね~よ!」
帰り道、飛び出してきた子供を避けようとハンドル操作をあやまり
悟は死んだ
俺のせいだ
俺がもっと
俺がちゃんと
俺が・・・俺が・・・俺が・・・・俺が・・・・俺が・・・・
俺が恭子さんと菜緒ちゃんを幸せにするんだ。
だけど今の俺じゃダメだ
俺は変わるんだ
松山の変わりになれるように・・・・
変わるんだ・・・
~千田 2~
葬式に行った
そこには恭子さんの姿はなかった
アパートに行った
恭子さんはおろか、悟の荷物さえキレイさっぱり無かった
悟の両親に恭子さんの事を聞いた
しかし会ったことも聞いたこともないと言われた
恭子さんは姿を消した
恭子さんを探さないと・・・
だがその前にやらなければいけない事がある
俺は松山になって恭子さんを迎えにいくんだ・・・
それが俺の使命であり夢だ。
とりあえず金が必要だ
金になるバイトは一通りやった
そのうち色々な人脈が出来てきて
詐欺師やヤクザの片棒を担ぐような仕事もやるようになった
13年前 25歳
まずは顔を変えた
松山と同じ顔とまではいかないが
それに近くはなった
12年前 26歳
次は苗字を変えた
「松山菜緒。なんかいい感じだろ?」
なぜだかあの言葉が忘れられなかった
裏社会では金を出せば戸籍だって買える
知り合ったヤクザから役所のサーバーをハッキングして戸籍を書き換える藤田という男がいると聞いて紹介してもらった
俺の名前は「松山稔」になった
何だかとても楽しかった
悟と飲むのが久しぶりだったのもあるけど
恭子さんがいたからだと思う
天真爛漫に振舞う姿が眩しかった
4歳年上なのだが時には大人の、時には子供の顔を見せた
「あのさぁ、ソカシにだから言っちゃうけど実は・・・
もうすぐ結婚するんだ 俺たち」
「マジで!?」
「子供が出来ちまってよ~ しょーがねーからさぁ~」
「ちょっとなによ~その言い方~!
子供の名前まで勝手に決めて喜んじゃってるくせに~!」
「おいおい!お二人さん!随分展開が早くねぇ~か?」
「菜緒。松山菜緒。なんかいい感じだろ!?」
「なんだか良くわからんが、おめでとうって事か!?じゃあ飲むしかね~な!
あっ!恭子さんは飲んじゃダメですよ!」
本当に心から祝福していた
2人ならきっと幸せになると思った
翌日、松山が死んだと連絡がきた。
あの日の夜、松山は泊まっていけと言ったが
恭子さんの誕生日はきっと2人だけで過ごしたいだろうと思い
最終の新幹線で帰る事にした
松山はだいぶ酔っていたが駅まで車で送ってくれた
「結婚式は子供が生まれて落ち着いてからする予定なんだけど
そん時は色々頼むぜ!ソカシ!」
「おぅ!まかせとけ!」
「じゃあまたな!」
「恭子さん大事にしろよ!」
「うるせーな!お前に言われなくてもそうするよ!」
「悟に何かあったら恭子さんは俺にまかせとけ!」
「(笑) あぁ、頼むよ! あと、菜緒も頼むよ!」
「いやぁ~俺大変だな(笑)」
「バーカ!(笑) 余計な心配してんじゃね~よ!」
帰り道、飛び出してきた子供を避けようとハンドル操作をあやまり
悟は死んだ
俺のせいだ
俺がもっと
俺がちゃんと
俺が・・・俺が・・・俺が・・・・俺が・・・・俺が・・・・
俺が恭子さんと菜緒ちゃんを幸せにするんだ。
だけど今の俺じゃダメだ
俺は変わるんだ
松山の変わりになれるように・・・・
変わるんだ・・・
~千田 2~
葬式に行った
そこには恭子さんの姿はなかった
アパートに行った
恭子さんはおろか、悟の荷物さえキレイさっぱり無かった
悟の両親に恭子さんの事を聞いた
しかし会ったことも聞いたこともないと言われた
恭子さんは姿を消した
恭子さんを探さないと・・・
だがその前にやらなければいけない事がある
俺は松山になって恭子さんを迎えにいくんだ・・・
それが俺の使命であり夢だ。
とりあえず金が必要だ
金になるバイトは一通りやった
そのうち色々な人脈が出来てきて
詐欺師やヤクザの片棒を担ぐような仕事もやるようになった
13年前 25歳
まずは顔を変えた
松山と同じ顔とまではいかないが
それに近くはなった
12年前 26歳
次は苗字を変えた
「松山菜緒。なんかいい感じだろ?」
なぜだかあの言葉が忘れられなかった
裏社会では金を出せば戸籍だって買える
知り合ったヤクザから役所のサーバーをハッキングして戸籍を書き換える藤田という男がいると聞いて紹介してもらった
俺の名前は「松山稔」になった
by 114dk
| 2015-02-22 09:58
| ドリームズカムトゥルー